コラム

2025/02/11 コラム

慰謝料の請求期限(時効)と起算点

不倫問題の慰謝料請求はいつまで可能?

はじめに

不倫問題で慰謝料請求を考える場合、「時効」という法的な期限に注意する必要があります。慰謝料請求には請求できる期間が定められており、一定の期間を過ぎると、請求が認められなくなる可能性があります。特に不倫問題では、時効がいつから進行するのか(起算点)が争点になることも少なくありません。

本稿では、慰謝料の請求期限(時効)とその起算点について解説します。時効を迎える前にどのような対応を取るべきか、不倫問題で悩んでいる方にとってご参考となれば幸いです。

本記事は、弁護士法人長瀬総合法律事務所が作成しています。不倫慰謝料の請求に関してお悩みの方は、ぜひご相談ください。

Q&A

Q1:不倫慰謝料の請求期限(時効)はどのくらいですか?

不倫慰謝料の請求期限は、民法上「不倫行為を知ったときから3年」「不倫行為が行われたときから20年」となることが原則です。ただし、どちらの期間が先に満了するかによって時効が成立します。

Q2:不倫を知った日とは具体的にいつですか?

不倫を知った日とは、被害者が「不倫の事実」と「加害者(不倫相手)の存在」を知った日を指します。不倫の可能性を疑っていた段階ではなく、具体的な証拠や事実に基づいて確信を得た日が基準となります。

Q3:時効の進行を止める方法はありますか?

はい、時効を更新または猶予する方法として、以下の手段があります。

  • 内容証明郵便で請求を行う
  • 調停や訴訟を申し立てる
  • 不倫相手との交渉で請求を認めさせる

Q4:時効が成立しても慰謝料を請求できますか?

時効が成立している場合、不倫相手が時効を主張すると慰謝料請求は認められません。逆に言えば、不倫相手が時効を主張しない限り、請求が認められるケースもあります。

解説

ここからは、慰謝料の請求期限や起算点についてさらに詳しく解説します。

慰謝料請求の時効期間

不倫行為を知ったときから3年

被害者が不倫の事実と加害者を知った日から3年間が時効期間となります。

例えば、不倫の証拠(LINEのやりとりや探偵の報告書など)を得た日や、不倫相手の存在を確認した日が基準となります。

不倫行為が行われたときから20

不倫行為が行われた日から20年が経過すると、慰謝料請求はできなくなります。

例えば、10年以上前の不倫で最近になって発覚した場合、20年以内であれば請求可能ですが、それを過ぎると時効成立となります。

起算点に関する具体例

ケース1:不倫をすぐに知った場合

例:配偶者が浮気を認めた日や、不倫現場を目撃した日が起算点となります。この場合、そこから3年間が請求可能な期間となります。

ケース2:不倫を後で知った場合

例:不倫の証拠が後になって判明した場合、判明した日が起算点となります。このため、不倫行為そのものが過去のものであっても、証拠を得たタイミング次第で請求可能性が残ります。

ケース3:不倫相手を特定できていない場合

不倫相手が特定できていない間は、時効が進行しない可能性があります。不倫相手の存在を把握したタイミングが起算点となります。

時効を更新または猶予する方法

内容証明郵便で請求を行う

内容証明郵便を送付することで、時効が一時的に中断します。ただし、一定期間内に訴訟や調停を申し立てないと、再び時効が進行します。

調停や訴訟を申し立てる

調停や訴訟を申し立てることで、時効が更新され、判決や和解成立まで損害賠償請求権を保護できます。

交渉で請求を認めさせる

不倫相手との交渉で慰謝料請求を認めさせた場合も時効が更新されます。ただし、不倫相手が認めたといえるか、また認めたという証明ができるかどうかがポイントになります。

時効が争点となる場合の注意点

証拠を早期に確保する

時効の進行を防ぐため、不倫の証拠(写真、LINE履歴、調査報告書など)を早期に収集し、保存しておくことが重要です。

起算点の証明

不倫を知った日や不倫相手を特定した日がいつなのかを客観的に示す証拠を用意しておくと、時効に関する争いを有利に進められます。

法的手続きを迅速に進める

時効成立を防ぐため、訴訟や調停を早めに申し立てることを検討しましょう。

弁護士に相談するメリット

  1. 時効期間の判断を的確に行える
    弁護士は、時効の起算点や期間を法律に基づいて正確に判断し、慰謝料請求の可能性を明確にします。
  2. 時効中断の手続きがスムーズに進む
    内容証明郵便の送付や訴訟の提起など、時効中断に必要な手続きを迅速に進められます。
  3. 証拠収集と主張の整理
    慰謝料請求に必要な証拠を収集し、時効に関する争いを有利に進めるための主張を整理します。
  4. 法的リスクの回避
    時効成立を主張されるリスクや、逆に名誉毀損で訴えられる可能性を最小限に抑えた対応が可能です。

まとめ

  • 慰謝料請求には時効がある
    「不倫を知ったときから3年」「不倫行為が行われたときから20年」が原則。
  • 起算点の確認が重要
    不倫を知った日、不倫相手を特定した日など、時効の開始時点を正確に把握する必要がある。
  • 時効中断の方法を活用
    内容証明郵便、調停、訴訟の手続きで時効を中断することが可能。
  • 弁護士のサポートで有利に進める
    時効成立を防ぎ、慰謝料請求を成功させるために専門的なアドバイスを受けることが重要。

不倫慰謝料請求で時効が心配な場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、時効に関するアドバイスや迅速な手続きのサポートを提供しています。お気軽にご相談ください。


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