コラム

2025/02/07 コラム

育児放棄やDVと不貞が併存するケースの慰謝料:複数の問題が絡む場合の慰謝料増額のポイント

はじめに

不倫が原因で夫婦関係に深刻な問題が生じるケースは少なくありませんが、それに加えて育児放棄やDV(家庭内暴力)が絡む場合、慰謝料請求が複雑化します。このようなケースでは、不倫による精神的苦痛に加え、育児放棄やDVによる被害も慰謝料の増額要因となることが多いです。

本稿では、不倫と育児放棄やDVが併存する場合に慰謝料がどのように算定されるか、増額が期待できる要因、さらに請求を進める際の注意点を解説します。複数の問題が絡む状況でお悩みの方にとって、慰謝料請求を適切に進めるための参考情報をお届けします。

本記事は、弁護士法人長瀬総合法律事務所が作成しています。不倫問題や家庭内トラブルで慰謝料請求を検討されている方は、ぜひご相談ください。

Q&A

Q1:不倫と育児放棄やDVがある場合、慰謝料はどのように算定されますか?

不倫による精神的苦痛に加え、育児放棄やDVの影響が加算されるため、慰謝料は通常よりも高額になる傾向があります。それぞれの行為が被害者に与えた影響を個別に評価し、総合的に算定されます。

Q2:慰謝料の増額幅はどのくらいですか?

ケースバイケースですが、通常の不倫慰謝料(100万円~300万円程度)に加え、育児放棄やDVが重なる場合は、さらに増額が期待できる場合があります。

Q3:育児放棄やDVが証明できなくても慰謝料を請求できますか?

はい、不倫が事実であれば慰謝料請求は可能です。ただし、育児放棄やDVによる精神的苦痛を主張する場合は、それらを証明する証拠が必要です。

Q4:離婚しない場合でも慰謝料請求できますか?

はい、離婚せずに慰謝料を請求することは可能です。特に育児放棄やDVが絡む場合、慰謝料請求を通じて責任を明確にし、再発防止を求めるケースもあります。

解説

ここからは、不倫に加えて育児放棄やDVが併存するケースにおける慰謝料算定のポイントや具体例を詳しく解説します。

育児放棄やDVが慰謝料に与える影響

育児放棄

配偶者が不倫により家庭を顧みなくなり、育児を放棄した場合、被害者である配偶者が抱える精神的・身体的負担が大きくなります。

育児放棄は、不倫に起因する行動として評価され、慰謝料増額の要因となります。

DV(家庭内暴力)

DVが加わる場合、被害者の精神的苦痛がさらに深刻になるため、慰謝料が大幅に増額される可能性があります。

特に、DVの被害が身体的な暴力や経済的な支配など複数の形態を伴う場合、裁判所は「悪質性が高い」と判断し、通常の不倫慰謝料以上の金額を認める傾向があります。

具体例

ケース1:育児放棄と不倫が併存する場合

配偶者が不倫に没頭し、子どもの世話を完全に放棄した場合、育児の全責任を負うことになった被害者の精神的苦痛が重く評価されます。この場合、通常の不倫慰謝料に加え、さらに増額が認められる可能性があります。

ケース2:DVが絡む不倫

不倫が発覚した際に、DV(暴力や脅迫)が行われた場合、精神的苦痛だけでなく身体的苦痛も考慮され、慰謝料が300万円以上に達することがあります。

ケース3:子どもへの影響が顕著な場合

不倫や育児放棄、DVが子どもに悪影響を与えた場合(例えば子どもが学校を欠席するようになるなど)、慰謝料はさらに増額される傾向があります。

実務上の注意点

証拠収集が重要

慰謝料増額を求める際には、不倫、育児放棄、DVのそれぞれについて証拠が必要です。

  • 不倫:探偵報告書、LINEやメールのやりとり
  • 育児放棄:子どもの生活状況、第三者の証言
  • DV:診断書、録音、目撃者の証言

感情的にならず冷静に対応

育児放棄やDVが絡むケースでは、感情的になりやすいものですが、冷静に証拠を集め、法的手続きを進めることが重要です。

慰謝料以外の請求も検討

DVが絡む場合、慰謝料に加えて保護命令の申立てや刑事告訴を検討することも有効です。

弁護士に相談するメリット

  1. 複雑な慰謝料請求を適切に進められる
    不倫、育児放棄、DVが絡む場合、弁護士は各要素を整理し、適切な請求をサポートします。
  2. 証拠収集のアドバイス
    慰謝料増額の根拠となる証拠の収集や整理を弁護士がサポートします。
  3. 法的リスクの回避
    DV加害者から逆告訴されるリスクを最小限に抑えつつ、安全に手続きを進められます。
  4. 冷静な交渉が可能
    感情的な対立を避け、法的に有利な解決を目指す交渉を進められます。

まとめ

  • 不倫と育児放棄やDVが併存する場合、慰謝料が増額される傾向がある
    被害者の精神的・身体的苦痛が深刻と評価される。
  • 具体的な状況に応じて金額が決まる
    不倫、育児放棄、DVの内容や影響が評価される。
  • 証拠収集が慰謝料増額の鍵
    不倫やDVの証拠、子どもの生活状況を記録しておくことが重要。
  • 弁護士のサポートで適切な解決を目指す
    証拠整理や請求手続き、交渉を専門家に任せることで、より有利な結果が期待できる。

不倫問題に加えて育児放棄やDVが絡む場合、慰謝料請求は複雑化します。こうした状況でお悩みの方は、ぜひ弁護士法人長瀬総合法律事務所にご相談ください。


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