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2026/04/19 コラム

ダブル不倫の慰謝料と求償権の問題|弁護士に相談すべきタイミング

ダブル不倫では双方の配偶者がそれぞれ慰謝料を請求でき、求償権の行使により最終的な負担額が変動するため、早期に弁護士へ相談すべきです。

Q. ダブル不倫とはどのような状態ですか?

ダブル不倫とは、不貞行為の当事者双方がともに既婚者である場合を指します。通常の不貞行為と異なり、被害を受ける配偶者が双方にいるため、慰謝料の請求関係が複雑になります。

具体的には、夫Aと妻Bが婚姳関係にあり、夫Cと妻Dが婚姳関係にある場合に、夫Aと妻Dが不貞行為を行ったケースでは、妻Bは夫Aと妻Dの双方に、夫Cは妻Dと夫Aの双方に、それぞれ慰謝料を請求できます。

このように、ダブル不倫では最大4者間で慰謝料の請求が交錯する可能性があり、その処理には法的な整理が不可欠です。ダブル不倫では、複数の示談交渉が並行して進むため、全体的な調整が重要になります。

ダブル不倫の事案では、各配偶者が独立して慰謝料請求をする場合と、4者で協議して全体的な解決を図る場合の2つのアプローチがあります。東京都内では、大人数の協議になることを避けるため、二者間の交渉を優先して進める傾向があります。

Q. ダブル不倫における求償権とは何ですか?

求償権とは、不貞行為の共同不法行為者の一方が慰謝料を支払った場合に、もう一方に対して負担部分を請求する権利です。

例えば、妻Bが妻Dに対して慰謝料200万円を請求し、妻Dがこれを全額支払った場合、妻Dは共同不法行為者である夫Aに対して、夫Aの責任割合に応じた金額(例えば半分の100万円)を求償できます。

この求償権の行使により、最終的には双方の家庭間で慰謝料が行き来し、差し引きするとほぼ相殺されるという結果になることがあります。つまり、当初は大きな金額の慰謝料請求をしたように見えても、最終的には求償により著しく減額されることがあります。

このため、ダブル不倫の案件では、求償権の問題を見据えた解決策を最初から検討することが重要です。示談書に求償権を放棄する条項を入れることで、問題の複雑化を防ぐことが実務上多く行われています。

求償権の責任割合についても、法的には共同不法行為者の責任割合に基づきますが、実務では協議で決めることが多いです。東京地方裁判所では、ダブル不倫の責任割合を原則として5:5とする傾向があります。

Q. ダブル不倫の問題を弁護士に相談すべきタイミングはいつですか?

ダブル不倫の問題は、配偶者の不貞行為を知った時点で早急に弁護士に相談されることをお勧めします。

相手方から慰謝料を請求されている場合には、求償権との関係で実質的な負担額がどの程度になるかを見極めたうえで対応を決定する必要があります。安易に高額な慰謝料の支払いに応じてしまうと、求償によって回収できる見込みがあったにもかかわらず、その機会を逃す可能性があります。

こちらから慰謝料を請求する場合にも、相手方配偶者からの反対請求のリスクを考慮する必要があります。双方の請求を整理し、最終的にどのような金銭的結果になるかを見通したうえで交渉を進めることが肝要です。

また、ダブル不倫が発覚した場合、複数の家庭で同時に離婚話が進む可能性があります。慰謝料の請求と離婚手続きを並行して進める場合、その調整が複雑になります。弁護士に相談することで、全体的な戦略を立てることが可能になります。

東京在住の相手方に対する訴訟は、東京地方裁判所に提起することになります。当事務所東京支所は東京地方裁判所へのアクセスが良好であり、迅速な対応が可能です。

Q. ダブル不倫での示談書に盛り込むべき条項は何ですか?

ダブル不倫での示談書には、以下の条項を盛り込むことが重要です。

第一に、求償権の放棄条項です。双方の配偶者が相互に求償権を放棄する旨を明記することで、将来のトラブルを防ぐことができます。これにより、一度の示談で全ての紛争が終了します。

第二に、支払い方法の明確化です。一括払いか分割払いか、振込先はどこか、支払期限はいつかを明確に記載することが重要です。複数の支払義務者がいる場合は、各自の支払額と支払い方法をそれぞれ記載します。

第三に、秘密保持条項です。ダブル不倫の事案では、事実の公開を避けたい当事者が多いため、示談内容の秘密を保持する旨の条項を入れることが多いです。

第四に、離婚に関する調整条項です。ダブル不倫で同時に複数の家庭で離婚が進む場合、慰謝料と離婚条件の関連性を明確にしておくことが重要です。

第五に、強制執行認諾条項です。支払いが実行されない場合に備えて、強制執行を可能にする条項を入れておくことが重要です。東京地方裁判所での強制執行手続きもスムーズに進みます。

第六に、修正条項です。双方の事情が変わった場合の修正方法についても定めておくことが、後々のトラブル防止に役立ちます。

Q. ダブル不倫での離婚と慰謝料の関係はどうなりますか?

ダブル不倫の場合、不貞を原因とした離婚と慰謝料請求が複雑に絡み合います。

第一に、離婚と慰謝料の二重請求の問題があります。配偶者が不貞を原因として離婚を請求する場合、その中で慰謝料も請求することが多いです。しかし、配偶者の不貞行為に対する慰謝料請求も並行して進む場合、慰謝料の二重取得になるのではないかという問題が生じます。

実務では、各配偶者が受け取った慰謝料を相殺することで、公平性を保つことが多いです。例えば、妻Bが妻Dに対して200万円の慰謝料を請求し、妻Dが妻Bに対して200万円の慰謝料を請求した場合、両者は相殺して精算しないという結論になることもあります。

第二に、求償権と離婚慰謝料の関係です。不貞相手に対する慰謝料と、配偶者に対する離婚慰謝料では、性質が異なります。しかし、同じ不貞行為から生じた損害賠償であるため、その関係性について示談書で明確にしておくことが重要です。

第三に、複数の訴訟進行の問題です。ダブル不倫で複数の家庭が同時に離婚・慰謝料請求訴訟を提起した場合、裁判所での進行が複雑になります。東京地方裁判所では、関連訴訟として同一部で審理することで、矛盾のない判断を目指す傾向があります。

ダブル不倫での問題は、単純な二者間の紛争ではなく、複数当事者間の複雑な利益関係を孕んでいます。全体的な視点から戦略を立てることが、各当事者の最終的な利益につながります。

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