2025/07/11 コラム
相手が有責配偶者の場合の離婚請求可否
有責配偶者の離婚請求と法的制限
はじめに
不倫を行った配偶者(有責配偶者)が離婚を請求する場合、法律上は制限があります。有責配偶者とは、婚姻関係の破綻を招いた主な責任がある配偶者を指し、その立場からの離婚請求は厳しい条件を満たさない限り認められません。しかし、条件が整えば離婚が成立する可能性もあります。
本稿では、有責配偶者が離婚を請求できる条件や、請求が認められる場合の基準について詳しく解説します。不倫問題で離婚請求に関する悩みを抱えている方に向けて、実務的なアドバイスを提供します。
不倫問題や離婚請求に関するご相談は、ぜひ当事務所へご連絡ください。
Q&A
Q1:有責配偶者が離婚を請求することは可能ですか?
原則として、有責配偶者からの離婚請求は認められません。ただし、一定の条件を満たす場合には例外的に離婚が認められることがあります。
Q2:有責配偶者の離婚請求が認められる条件は何ですか?
以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 婚姻関係が破綻していること
長期間の別居などにより、夫婦関係が実質的に終了している場合。 - 未成熟の子どもがいないこと
子どもの福祉が損なわれないことが条件となります。 - 相手が離婚により過酷な状況に置かれないこと
配偶者が経済的・精神的に困窮しない場合に限られます。
Q3:離婚を請求された場合、どう対応すればいいですか?
- 請求内容を確認する
離婚請求の理由や条件を確認します。 - 証拠を収集する
不倫の証拠を保全し、有責配偶者であることを明確にします。 - 弁護士に相談する
法的なアドバイスを受け、適切な対応策を講じます。
Q4:離婚請求を拒否することは可能ですか?
はい、有責配偶者からの離婚請求に正当な理由がない場合、拒否することが可能です。
解説
ここからは、有責配偶者の離婚請求が認められる条件や、請求に対する対応方法について詳しく解説します。
有責配偶者からの離婚請求の原則
原則として認められない理由
有責配偶者からの離婚請求は、婚姻関係を破綻させた側が一方的に離婚を求める行為として、社会通念上の公平性を欠くとみなされます。
例外的に認められる条件
- 婚姻関係が破綻している場合
長期間の別居(目安として5年以上)が続いている場合、婚姻関係が事実上終了していると判断されることがあります。 - 未成熟の子どもがいない場合
子どもが成人している場合や、親権者が十分な養育能力を持つ場合など、子どもの福祉が損なわれないことが条件となります。 - 離婚後の相手の生活が安定している場合
配偶者が離婚後も経済的・精神的に困窮しない場合、離婚が認められる可能性があります。
離婚請求に対する対応方法
- 請求内容の確認
離婚請求が行われた場合、理由や条件を確認し、有責配偶者からの請求であるかを判断します。 - 証拠の収集
不倫行為を証明する証拠(LINE履歴、写真、探偵報告書など)を収集し、相手の責任を明確にします。 - 弁護士への相談
弁護士に相談し、離婚請求の妥当性を確認し、拒否や条件交渉を進めます。
実務上の注意点
- 相手が有責配偶者であることを立証
不倫行為の証拠を基に、相手が有責配偶者であることを明確に主張します。 - 冷静な対応
感情的にならず、冷静に法的手続きを進めることで、適切な解決を目指します。 - 法的サポートの活用
弁護士を通じて適切な法的対応を進め、トラブルを最小限に抑えます。
弁護士に相談するメリット
- 離婚請求の妥当性を確認
弁護士が離婚請求の条件を精査し、妥当性を判断します。 - 証拠収集と整理のサポート
不倫行為を証明するための証拠を収集し、法的に有効な形で整理します。 - 交渉や裁判の代理
弁護士が代理人として交渉や裁判を行い、依頼者の権利を守ります。 - 冷静で効率的な解決を実現
感情的な対立を避け、法的根拠に基づいた解決を図ります。
まとめ
- 有責配偶者からの離婚請求は厳しい条件を満たす必要がある
婚姻関係の破綻、未成熟の子どもの不在、相手が過酷な状況に置かれないことが条件です。 - 証拠を基に有責配偶者の責任を明確にする
不倫行為の証拠を収集し、相手の責任を主張します。 - 冷静に対応し、法的サポートを活用する
弁護士を通じて適切な手続きを進め、トラブルを最小限に抑えます。 - 弁護士のサポートで安心して解決を目指す
離婚請求の妥当性確認や証拠収集、交渉を全面的にサポートします。
有責配偶者から離婚請求を受けた場合の対応についてお悩みの方は、ぜひ弁護士法人長瀬総合法律事務所にご相談ください。
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