2025/03/13 コラム
SNS上のやりとりを証拠にする際の注意点|不倫慰謝料請求でSNSを有効に活用する方法
はじめに
不倫の証拠として、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上のやりとりは非常に有力です。特に、LINEやInstagram、Twitterなどでのメッセージ交換や投稿が、証拠として利用されるケースが増えています。しかし、SNSを証拠として活用する際には、法的に適切な方法で取得しなければなりません。違法性があると逆に訴えられるリスクもあるため、慎重な対応が求められます。
本稿では、不倫慰謝料請求においてSNS上のやりとりを証拠として活用する際の具体的なポイントと注意点を解説します。SNSを利用した不倫問題でお悩みの方に向けて、実務的なアドバイスを提供します。
不倫慰謝料請求に関するご相談は、ぜひ当事務所へご連絡ください。
Q&A
Q1:SNSのやりとりは証拠として有効ですか?
はい、SNS上のメッセージや投稿は不倫行為を示す証拠として有効です。ただし、やりとりが真正であることを証明できるかどうかが重要です。
Q2:どのような内容のやりとりが証拠として認められますか?
- 不倫関係を示す明確なメッセージ(「昨夜は楽しかった」「ホテルに行った」など)
- 不倫相手との特定の場所や日時を示す内容
- 写真や動画、位置情報付きの投稿
Q3:SNSを勝手に覗いて証拠を取得すると違法ですか?
不倫相手や配偶者のSNSに不正アクセスして情報を取得することは、不正アクセス禁止法やプライバシー侵害に該当する可能性があります。違法性がある場合、証拠として認められないことがあるため、慎重に対応する必要があります。
Q4:SNSのスクリーンショットは証拠として使えますか?
はい、スクリーンショットも証拠として利用可能です。ただし、改ざんや捏造の可能性を否定するために、メッセージ全文や送受信履歴を含めた形で取得することが望ましいです。
解説
ここからは、SNSを証拠として活用する具体的なポイントや注意点を解説します。
SNSを証拠とする際の有効性
メッセージ内容の具体性
「愛している」「ホテルで待ち合わせ」など、不倫関係を直接示す内容は、裁判でも有力な証拠となります。
日時や場所、行為を具体的に示すやりとりが含まれていることが重要です。
投稿内容や位置情報
デートの様子を撮影した写真や、同じ場所にいたことを示す位置情報付きの投稿は、不倫を立証する補強証拠として有効です。
送信者やアカウントの特定
やりとりが不倫相手や配偶者のアカウントで行われたものであることを明確に示す必要があります。
証拠収集の際の注意点
違法な方法での取得を避ける
- SNSアカウントに勝手にログインして情報を取得することは、不正アクセス禁止法に違反します。
- 不倫相手や配偶者のスマートフォンを無断で操作してスクリーンショットを撮影する行為も、プライバシー侵害とみなされる可能性があります。
改ざんや捏造の疑いを避ける
- スクリーンショットを証拠として提出する場合、加工や編集を疑われないように、やりとり全体や送信日時がわかる形で取得してください。
- 必要に応じて、第三者(弁護士や専門機関)に証拠の真正性を確認してもらうと安心です。
公開範囲に注意
公開範囲が「友達限定」や「非公開」となっている投稿を無断で取得して利用することは、法的問題を引き起こす可能性があります。
SNS証拠収集の実務的なポイント
適切な方法で収集
- 公開されている情報や自分が正当にアクセスできる内容を基に証拠を収集してください。
- 友達や共通の知人を通じて情報を得る場合も、違法性のない方法を選びましょう。
保存方法の工夫
- スクリーンショットを撮影する際は、スマートフォンやPCに保存し、バックアップも取っておくとよいでしょう。
- やりとりを印刷する場合は、送信日時やアカウント情報が明記されていることを確認してください。
証拠の一貫性を保つ
SNS証拠だけでなく、その他の証拠(写真、探偵報告書など)と組み合わせて、不倫の全体像を示すことで裁判所への説得力を高められます。
弁護士に相談するメリット
- 証拠の有効性を確認できる
弁護士は、SNS証拠が裁判で有効と認められるかどうかを判断し、必要な補足証拠を提案します。 - 違法性リスクを回避できる
違法収集とみなされるリスクを最小限に抑え、適法な方法で証拠を取得するアドバイスを受けられます。 - 証拠を効果的に活用できる
SNS証拠を基にした主張や、慰謝料請求における説得力のある戦略を立案します。 - 交渉や裁判の負担を軽減
弁護士が代理人として交渉や裁判を進めることで、精神的負担を軽減しつつ適切な解決を目指せます。
まとめ
- SNSのやりとりは不倫の重要な証拠となる
メッセージ内容や投稿、位置情報が具体的であるほど有効性が高い。 - 証拠収集には適法性が求められる
不正アクセスやプライバシー侵害に該当する方法は避けることが重要。 - 証拠の保存方法と一貫性を確保
やりとり全体を保存し、改ざんや捏造の疑いを排除する工夫が必要。 - 弁護士のサポートで適切に進める
SNS証拠の有効性確認から交渉、裁判手続きまでトータルでサポートが受けられる。
SNSを活用した不倫慰謝料請求は、慎重かつ的確な対応が求められます。
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